生で推しを拝んだ。
アイドリッシュセブンってご存じですか。
最近よくあるアイドルもののゲームで、ただ育成ものではないという理由から手を出した。個人的に育成ゲームにはあんまりおもしろさを見出せないというめんどくさい性格をしているので。その点リズムゲームは音楽ありきなのでいろいろと先が広がると思う。
で、そのライブが当たって初めて行ってきました。
いやはや、最近のライブってすごいんですね。ほんと。演出とか派手で、スクリーンとかもだいぶ進歩しているっぽい。これまでアイドルのライブに行ったことない僕にとっては非常に新鮮なイベントでした。
と、まあこの辺までは気持ち悪くない感想。ここからどんどん気持ち悪くなります。
まず演出。アイドルもののコンテンツ感がほとんど見えない。オープニング映像ですらほとんどキャラのビジュアルを出さず、各アイドルたちのイメージや表現に徹していました。もちろん節々にアニメのライブシーンが流れたりするけれど、それは決して演者さんの見せ場を邪魔するようなものではなく。むしろアニメを現実に移植するなんてことすらしてのけて、本当に感動しました。ハルキの葬送曲まで生で聞けるとは(まじで生)。
セットリストも最高でした。最初はさわやかな曲から始まり、初日と二日目の二公演だけでセンター交代と復活を表現。新曲や振り付きの曲でボルテージを上げつつユニット曲に移行し、MEZZO”のアルバムリード曲も聞けました。またピアノ七重奏をセンターステージで生披露して、しっとりした空気からAFFECTiONで大幅に転換。最後は明るく弾けた曲で走り切って、アンコールはEveryday Yeah!から未発表新曲を交えつつMONSTER GENERATiONで特効。駆け抜けてきたアイナナヒストリーを総まくりしたような、初心者でも玄人でも楽しいセトリでした。
そして何より演者の皆様。自分を依り代として憑依させる人もいれば、自分なりの「その子」を具現化する人、自分の人格と「その子」を重ねる人、引き寄せて自分の一部にしてしまう人。いろいろな人がいて、そのどれもが正解だと感じられたパフォーマンスでした。どの一瞬を切り取ってもそこには彼らがいて、自分が二次元に吸い込まれたのか、彼らが二次元から飛び出してきたのかわからなくなったような、そんな不思議な感覚を味わえる時間でした。
この時世は世知辛い。エンターテインメントは不要とされ、感染者の数が増えるたびに中止を余儀なくされてきました。そんな中でも諦めないでいてくれた人がいたから、あの時間があったのだと思います。あの日アイドリッシュセブンに救われた人は、会場にも、ライビュにも、家にもたくさんいたはずで、だからこそエンタメは必要であると知られなければならないのだと強く思いました。あのライブがいい思い出で終わるのではなく、一つのロールモデルとしてエンタメ業界に影響を与えてくれていれば嬉しいなと思います。