Wochenende Café

好きなことだけして生きていたらいつか好きな人に会えるミラクルが起きてほしい。

冥府魔道。

 ラジオを流し聞きしていた。ある程度日本語が堪能であるという自負がある僕であるので、他人との会話に「ん?」となることなくついていけているのが常である。が。

 

「それは冥府魔道だよ。」

 

 盛大に息をこぼした。ん?????めいふまどう?なにそれ?文脈からも推測できぬぞ。どうした国語力。脳内変換もポンコツで、とりあえず聞こえた言葉をそのまま日本語でグーグルの検索窓に打ち込んだ。めいふまどう、検索。

 

 まあ、ざっくり言えば「いばらの道」とかそういった類の言葉らしい。ここでの本題は言葉の意味ではないので詳細な説明は差し控える。確かにそのタイミングで話していたことは確か、職場への服装の話だった。オフィスカジュアルもないような職種で、果たして何を着ていくべきかと、女性パーソナリティーが男性パーソナリティに相談していたように記憶している。

 

「わたし、よくダサいって言われるんですよ。やっぱりおしゃれとか気を使うべきですかね。」

「いやいや、おしゃれとかそういうのは冥府魔道だからね。」

「ん…?」

「修羅の道だからさ。ほら、正解がないじゃない?」

 

 おお、よかった。女性パーソナリティーよ、君も理解できなかったか。

 

 結局話は「自分のスタイルを貫こう」みたいなきれいなまとまりで終わって、それほど心に残るものということでもなかったのだけれど(当然だ、流し聞きだったんだから)、そのラジオでその男性が見知らぬ言葉を使ったとき、プロってすごいなあと改めて思った。ふわっとした感想だけど、本当にそう思ったのだ。だって、「喋る」という当たり前でどこにいても起きるような現象にもプロと素人の差が出てるんだから。

 

 そして、それと同時に自分の不勉強さを猛省した。冥府魔道、まあ語源がとある漫画家先生の創作ってことになっていたから正式、というか古来から使っている日本語、というわけではないらしいけど。それでもなんか悔しかった。なんかしてやられた感じするわこれ。この事変以来、ちゃんと知らないことを調べてアイフォンのメモ帳に羅列するようになりました。いつか使ってみたいよ、冥府魔道。