Wochenende Café

好きなことだけして生きていたらいつか好きな人に会えるミラクルが起きてほしい。

友達を作ることと、フィルムカメラ。

 友達って、どうやって作るんでしょうか。

大学に一度も行かないまま一年が過ぎた。なんとかやっていけることを知ってしまって、すると不思議と大学に行くのが怖くなる。だって、要らないって証明されたし。

 

 新しい環境に慣れること自体はそれほど苦痛ではない。体力が落ちていなければ気力で大抵なんとかなる。けれど、人に慣れることはどうにも苦手だ。

自己評価が低いからか、誰かに嫌われることをいつも極端なまでに恐れている。自分の周りから人が消えることがひどく恐ろしい。あったものがなくなる怖さを知っているから、最初から持たないようにする。僕が言っているのはそんな暴論なのかもしれないとおもう。

 

 元来、先生から笑顔がかわいい、友達と仲良くやれている、そんな評価をもらうタイプの子供だった。それを最悪な方向に捻じ曲げたのは小学生の頃で、他人とは一生分かり合えないとわかってしまった。昨日の友は今日の敵、なんてね。別にそれで寂しくなることはなかったけれど、人と関わることがひどく怖くなってしまった。

 

 ただ、逆らうことを知らない子供だったから、大人とかに流されながら不登校になることもなく小学生を修了した。自分を騙し騙しやれていたのだろうな、と今ならわかる。楽しくはないし辛かったけれど、もはや義務教育の意味を取り違えたかのような義務感で通学していた。ランドセルは重かった。

 

 結局人との繋がりは希薄で、誕生日なんて覚えられないし(それは自分のせい)会わなきゃすぐに忘れてしまう。けれどそれでいいのかもと思う。スマホのカメラで写真を撮るように、気軽に簡単に増やして要らなくなったら消去する。言い方はとてもきつく聞こえるけれど、実際ほとんどの人付き合いってそんなもん。だけど、全部スマホだと僕らが僕らでいる必要性がない。だから、ほんとうに大切にしたい何人かだけはちゃんとフィルムカメラで写しておきたい。手間もお金もかかるけれど、それでもいいと思える数人だけをフィルムに収めて、気が向いたら現像して、印刷して、あぁこいつか、ってなりたい。その数人に出会うことがきっと至難の業なのだろうけれどね。